「森のエビフライ」を探すには?

──森のエビフライはどのような場所にありそうですか?

(東洋産業 大野竜徳さん)

「まず注目したいのは、松の存在。材料となるアカマツなど、まつぼっくりをつける松がなければ、森のエビフライは生まれません。次に、森のつながりです。

周囲に樹木が連なり、リスが地面に降りずに移動できそうな構造が残っているかどうか。リスは基本的に樹上性で、開けすぎた場所や孤立した林は避ける傾向があります。

そして、人の影響の少なさ。登山道の真ん中よりも、道の脇や木の根元、林縁など、少し静かな場所で森のエビフライは見つかりやすくなります。エサになる松が豊富にあり、移動できる森の連続性や隠れ場所があること、そして人の手が入りすぎていないこと。そうした条件がそろって、はじめてリスは暮らせます」

「リスの存在を知る近道は、足元観察です。まつぼっくりが散乱していないか、不自然に傷んでいないか。森のエビフライが落ちていれば、それが新しいものか、古いものか。

姿を見なくても、痕跡から森の中の暮らしを想像できる。それは、自然観察の醍醐味であり、森との距離を一段近づけてくれる視点です。森のエビフライは、かわいらしい名前とは裏腹に、その森の状態を静かに教えてくれます。

岡山では数が少ないといわれる野生のリス。この小さな痕跡は、ここはリスが生きる森だという、確かな証拠でした」