「どうか皆さん、壊す人にならないでいてください」
児島さんは重ねて、様々な人の立場を想像することの大切さを訴え続けます。
(児島 早苗さん)【画像⑩】
「セクハラ、パワハラ、いじめ、レイプ。皆さんそういう目に合っている人の気持ち想像したことありますか?」
「皆さん、朝起きた瞬間思い出してください。誰もが朝起きた瞬間、頭真っ白です。やがて意識が戻ってくると、
『あ、今日はあの用事があった』
『あの話は、あいつにしとかなアカン。あの子とこの話ししたい』
『久しぶりにあの人に電話して、仕事終わってから美味しいもん食べながら楽しいことしたい』」
「楽しいことを誰もが考えたくなります。でもパワハラ、セクハラ、レイプ、いじめにあってる人はどうでしょう?朝起きた瞬間一緒です。真っ白です」
多くの人は「楽しいことを想像したい」と思う。しかし一方で、児島さんは心に傷を負った人々は、朝起きて意識が戻った時、別の心境を抱くと言います。
(児島 早苗さん)
「でも意識が戻ってくると『いやいや、学校行きたない』『会社行きたない』『行ったら、またみんなの前で大声で怒鳴られる、昨日よりもっとひどいことされるん違うやろか、いきたない』『街を歩いてる人が、みんな自分をじろじろ見る気がする。怖い。また襲われるのと違うやろか。毎日それの繰り返しなんです、朝から』
「心と体は、絶対一体です。心が弱ってくると消化能力が下がります。食欲がなくなります。どうか皆さん、壊す人にならないでいてください」
早苗さんは、かつて相手の立場に立つことができなかったことがありました。そのため、病院で意識のない息子・健仁さんを前に、ある「後悔の念」を抱いたといいます。
【第3話】へ続く
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児島早苗さんは「NPO法人 KENTO」( https://kento.holy.jp/ )の代表として交通事故ゼロの社会を目指して活動しています。講演会は「命の大切さを学ぶ教室」として香川県警が主催したものです。










