「クマどん」をパワーアップした「クマソニック」は音のバリア

今回「クマどん」を改良し、開発したのがこの「クマソニック」です。

(岡山理科大学 辻維周教授)
「クマどんは、低周波でクマを驚かせて立ち退かせるというやつですね。

でも驚かせた場合にはどうしても音に慣れてしまって戻ってくる可能性があるんです。周波数を変更してかけてみたらうまくいったと。言ってみれば音でバリアを作ることになる」

辻教授はこの日、南砺市の職員と井波地区の林道にクマソニックを設置しました。井波地区では今月に入りクマの目撃情報が増加。住宅街など各地で痕跡が発見されています。

(南砺市 森林農地整備課 平瀬大然さん)
「山側の、ちょうど里との緩衝地帯というか、そういったところに置けば里の方まで下りて来ないかなという期待をしている」

クマが生息する山と人里の間に「クマソニック」を設置し、緩衝地帯をつくることで人里への出現を防ぐことが狙いです。これまでの「追い払う対策」から、「寄せ付けない対策」へと変化させたといいます。

(岡山理科大学 辻維周教授)
「やはりこれだけでは不十分なので、電柵とか爆竹とかその辺りと併用してもらえればより効果が期待できる。いずれにしてもクマは結構いろいろと知恵が働きますので、彼らとの戦いですね」

全国で相次ぐクマの目撃と人的被害。「音のバリア」は、人里を脅かすクマ対策の救世主となるのでしょうか。