解体か再生かで揺れる、「船の体育館」を巡る動きです。香川県教育委員会は、きのう(4日)まで行われていた解体工事の入札に1社以上の応札があったことを明らかにしました。

(香川県教育委員会 淀谷圭三郎教育長)
「旧香川県立体育館解体工事につきまして、開札を9月5日午前9時半に行いました。開札の結果、応札がございましたので今後審査を行ってまいりたいと考えております」

世界的建築家、丹下健三が設計し「船の体育館」と呼ばれる旧香川県立体育館です。県は老朽化や耐震性を理由に解体を決め、工事の業者を決める入札がきのうまで行われていました。

予定価格は9億2000万円あまりで、開札の結果、1社以上の応札があったということです。

香川県は応札した事業者について、解体方法や安全性、騒音対策などを1か月以上かけて審査します。

審査が通れば仮契約を行い、県議会の議決を経て正式な契約を結ぶということです。

「船の体育館」を巡っては、民間の建築家らでつくる再生委員会が建物と土地を買い取り、ホテルとして再生する案を県に示しています。淀谷教育長は、きょうの会見で建物の安全性について従来の主張を繰り返しました。

(香川県教育委員会 淀谷圭三郎教育長)
「地上の大きな柱、地下に支持杭がありますけれども、この杭、これが想定される地震では支持力が弱い。コンクリートの中性化、それに伴う鉄筋の腐食などもあって屋根の落下については平常時でも可能性がある」

その上で、淀谷教育長は、安全性についての県の考えを詳しく説明する場を改めて設けたいとしました。

開札の結果について、再生委員会の長田委員長はRSKの取材に対し「文化の一端を担うはずの建設事業者が解体工事に応札したことは残念だ」と述べ、来週早々にも住民監査請求を行う考えを示しました。