再審は?
(井上雅雄弁護士)
「そこで、国民的再審請求っていうことであったり、あるいは検察官に対して再審請求をしないことは国賠法違法であるといったり、再審を迫ったりという運動をずっとしていました。
国民的再審請求というのは、法律の条文上はないのですけれども、こういうケースはできるんだということで、出して争っていた途中に遺族の1人が手を上げてくださって、今は通常の再審請求という形に移行しています。来年の1月にはおそらく再審の決定が出るんではないかという風に考えています」
「このように、法曹界、裁判所も検察官も弁護士も、憲法違反であるっていうのは、認識しながらもハンセン病に対する部分においては何もしてきませんでした。
その特別法廷は、私は、あるベテランの先生に以前聞いたことがあったんですけども、その先生は、現在、岡山市立図書館のあるところに以前刑務所があって、その刑務所の中の会議室で裁判をしたと。
会議室はもう真っ白だったと。白衣を羽織って、本当にもう全てが真っ白だったのが印象に残ってるという話をされました。
それが、当然のように行われていたっていうのが現状で、法曹関係者は、この問題に関しては本当に大きな責任を抱えているという風に考えています。私も含めてなんですけども、そういう状況があったということです」
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