岡山城の内堀では、植物プランクトン「アオコ」が発生し、水が緑色に濁る現象が起きています。景観を阻害するこの厄介ものを浄化しようと、岡山市の高校生が、薬剤を使った水質の改善に乗り出しました。
(小寺真生記者)
「岡山城のお堀です。水面がまるで抹茶のように濁っていて水の中が見えません。匂いは感じません」【画像①】

岡山城の内堀の水中にカメラを入れてみると…。透明とはほど遠い状況であることが分かります。【画像②】

岡山市によると、水中の植物プランクトン「アオコ」の発生が原因だといいます。そこで水をきれいにしようと立ち上がったのが、岡山工業高校の生徒たち【画像③】です。

高校生がバケツで撒いているのは、水酸化マグネシウムと水を混ぜた薬剤。アオコが増殖する夏場を前に、3年生約40人が岡山市の職員と作業しました。

(岡山市観光振興課 水岡克也課長)
「アオコっていうものが繁殖しています。アオコを水酸化マグネシウムという薬剤でくっつけて、底に沈めるといった作業です」
内堀の広さは、約6000平方メートルで水深は2.6メートル。炎天下で石垣の上やボートから20キロの袋を100袋すべて手作業で散布しました。

(岡山工業高校3年生)
「けっこう粉とかがそこら辺にまっちゃたりして綺麗になるか心配です」
(岡山工業高校3年生)
「思ってたより緑で、これがどのように変化していくかが楽しみです」
岡山工業高校では6年間、アオコを浄化するための実証実験を重ね、水酸化マグネシウムによって効果があることを確認しました。そして、去年10月、岡山城の今回と同じ場所で初めて実証実験を行い、透明度を上げることに成功。2回目のきょうは更なる効果を期待し、薬剤に粘土を混ぜる挑戦もしています。

(岡山工業高校3年生)
「実験と同じようにきれいにしていきたいです。完璧な透明に近づくように」
(岡山工業高校3年生)
「きれいになって、魚とか見えるようなきれいな岡山城になってほしいです」

今回の実験による効果は2~3週間後に現れてくる見通しです。アオコによる生態系への影響はないということで、岡山市と高校では、堀の底が見える程度まで浄化活動を進めていきたいとしています。