■耕作放棄地を40年前の姿に 英田上山棚田団の取り組み
しかし、その生産効率は低く、1970年ごろから耕作放棄地が増加。そんな中、救世主として現れたのが・・・移住者らで作る、英田上山棚田団です。15年前から棚田再生の第一歩となる野焼きを続けてきました。
(英田上山棚田団 西口 和雄 さん)
「これも燃やしたら(棚田の)石垣が出てきます全部。40年前の姿に戻るという。」

棚田団のメンバーは、現在、約30人。水柿さんもその一人です。
(英田上山棚田団 水柿 大地 さん)
「ここで暮らすっていう選択肢を持ち続けるためには(棚田を)維持していかなきゃいけない。自分たちがやれることがそれがさらに地域の人にも喜んでもらえることに繋がったらいいと思っています。」
(地域住民)
「(棚田団の活動は)本当に助かっている。周囲がきれいになることが一番楽しい」
(記者)
「棚田が全部元にもどるかもしれない」
(地域住民)
「それはないだろ。そうなった時分には僕らはもうおらんかもわからん」
■棚田の稲のオーナーを募集 ”ふるさと納税”の新しい試み
活動を始めて15年が経ちますが、それでも再生できたのは全体の1割ほど。住民が元々利用していた農地と合わせても棚田の7割が荒れたままです。そんな中、力になりたいという人が現れました。
(さとふる 渡邉 葉子 さん)
「車もない時代に先祖の人たちが作り上げたこの棚田を自分たちの代で終わらせたくはない。」
全国各地のふるさと納税を紹介するサイト「さとふる」。運営会社の社員が棚田団の活動に共感しました。そこで考案したのが・・・
(さとふる 渡邉 葉子 さん)
「上山棚田の稲株主制度という取り組みについて、ふるさと納税のお礼品に新たにご登録を頂きました。」
稲株主制度は上山の棚田の「稲のオーナー」になれるというもので、棚田団が活動の仲間を増やそうと去年から始めました。
(香川県から参加した人)
「棚田も今も色々話を聞いたら、結構管理も大変というのがあって、やっぱり応援したいなと。」
この制度をふるさと納税の返礼品に登録することで、稲のオーナーをさらに増やそうというのです。1口2万5千円で100株の株主になれ、米5キロと冬野菜を受け取ることができます。さらに農作業の体験も可能です。
以前開いた体験会の様子です。地元の人にとってはお金を払ってまでの農作業は理解しがたいといいますが、都市部の人にはニーズがあるようです。
(岡山市から参加した人)
「農業って結構見方を変えて角度を変えたら、これほど面白いことないんじゃないかって」