咬まれた瞬間に痛みがあったら「吸血アブ」
(東洋産業 大野竜徳さん)
「他の吸血生物と比べると、「こっそり気づかないうちに」とか、「麻酔作用のある唾液が」ということはなく、咬まれた瞬間に思わず『痛い!』という声が出るような乱暴な吸血をするのは、吸血アブです」
「ウシアブやアカウシアブ(牛や馬などの家畜のほうが好きなようです)、イヨシロオビアブ、キンイロアブ、ゴマフアブ(これらは主にヒトを狙ってきます)などのいろいろな種類がいます」
「吸血アブの大きさは15~30mmと、ほかの生き物よりは大きめです。山道、川沿い、草原、牧場周辺に出現します」【閲覧注意!画像⑧】

「ブーンという音がするので、簡単に気づきそうですが、意外と気づかないことも多く、背後から素早く近づいてきて、露出した皮膚に乱暴にナイフの刃先のような口でざっくり切りつけてきて、そこからにじんだ血を舐めていきます」
「すぐに気づけば傷口は咬まれたところに血が滲みます。忍者のように気づかれないようにきて気づかれないように仕事を終えているほかの生き物と違って、背後からバッサリくる辻斬りですね」
「特に登山の休憩時や釣りなど、じっとしているときが狙われやすいですが、アブの執念はなかなかのもの。一度獲物と定めたら長い距離追いかけてきますし、まとわりついてきます」
「車の周りで準備や片付け、着替えをしていたら集ってくることもありますし、車の中に逃げ込んでも、私たちのにおいや車の排気ガスや呼吸の二酸化炭素に反応するので、フロントガラスやサイドウインドウに何匹も取り付いて何とか入ろうと狙っている姿は恐怖です」
「刺された瞬間の痛みだけでなく、その後激しいかゆみ、腫れ、熱感が出ることもありますし、人によってはアレルギー反応で水ぶくれができることもあります」
▼見分け方④ 咬まれた瞬間に痛みがあったか 山道、牧場などにいたか