ブヨも実は油断できない!「人によっては発熱・めまいも...」

ブヨの被害にあった筆者は、約24時間経ったころから、かゆみが次第に増し、【画像④】のように、周辺の皮膚が少し熱を帯び、かたくなってきました。

処方された薬を塗ったり保冷剤で冷やしたりしてみましたが、約48時間は、痛がゆく不快な時間が続きました。

【画像④】ブヨにやられて約24時間後。血豆は消失したもののかゆみは次第に増してきます。

害虫駆除を専門とする東洋産業の大野竜徳さんは、

「かゆみがない時間というのは、虫が刺した時に、相手に気づかれてしまっては逃げられたり追い払われたり、たたき殺されてしまうので、うまく麻酔をかけてくるせいでしょう」

「威嚇や防御のための攻撃ではなく、そっと血を盗んでいく生き物は、相手に気づかれないようにしなければならないからです」と話します。

(東洋産業 大野竜徳さん)
「ブヨは2~5㎜くらいの小さなハエの仲間で、渓流沿いや渓流の近い登山道、キャンプ場、のどかな山あいの避暑地などに出現します」

ー筆者が被害にあったのも、まさにそのような場所です。

「蚊よりも小さく、音もなく近づいてきて、気づかないうちに血を吸っていく、まるで忍者のような吸血鬼。私たちの皮膚をノコギリのような口で切り裂いてにじみ出た血を舐めます」

ーロングスカートの下から入って膝あたりを吸血するとは、忍者のようです。

「その時血が固まったり、痛みを出したりしないように、血が固まりにくくなる麻酔成分のような唾液を傷口に擦りつけます」

ーそれで、かゆみもない時間が続き、気づいたときには、血豆になっていたのですね。

「主な症状としては、刺された数時間後から猛烈なかゆみ、赤い腫れ、熱を持つなどの症状が出て、ひどくなると数日から1週間ほど症状が続きます。人によってはリンパが腫れ、発熱、めまいなどの全身症状が出る場合もあります」

▼見分け方② 血豆が出現することも 渓流沿いなどに行ったかどうか