ご存じですか?「デフリンピック」
聴覚に障害がある人のスポーツの世界大会「デフリンピック」。耳が聞こえないという意味の英語「デフ」と「オリンピック」を合わせた言葉で、4年に1度の祭典が今年11月、日本で初めて開催されます。

陸上競技は「デフ陸上」といいますが、400メートルハードルの日本代表に、今月(5月)、岡山大学の学生が内定しました。初めての世界を目指す努力の日々を追いかけました。
国立大学から日本代表選考会へ 石本龍一朗選手
今月6日。埼玉県で開催されたデフリンピックの日本代表選考会。緊張感に包まれる会場に、1人の若者がやってきました。
(岡山大学 陸上競技部3年 石本龍一朗選手)
「おはようございます」
雨が降っているにもかかわらず傘を持たず、手荷物を頭の上に載せていました【画像②】

ー傘は?
「天気予報を見ていなくて、持ってきていなくて。いい感じに傘をさしているようになりませんかね?編集で」
ちょっぴりお茶目な、屈託のない笑顔を見せる20代の若者です。
「デフリンピックを決めたいんで。めっちゃ緊張しています」

岡山大学3年、陸上競技部所属の石本龍一朗選手。専門種目は、400mハードル。パワフルなハードリングが強みです。耳には補聴器【画像③】。生まれたときから聴覚に障害があります。
(岡山大学 陸上競技部3年 石本龍一朗選手)
「先天性感音性難聴です。補聴器を外してしまうとぼやける。その音が『あ』なのか『い』なのか認識できない」
ろう学校から小学校の普通学級へ 中学時代は陸上部で県大会入賞

3歳からろう学校で発音方法などを徹底的に学び、小学校からは普通学級へ。陸上をしていた父親の影響で、中学校は陸上部に入ると、県大会で入賞するほどまでに成長しました。

そして去年、大学2年生で、転機が。友人から知らされたのが「デフリンピック」の存在でした。
(岡山大学 陸上競技部3年 石本龍一朗選手)
「聴覚障害がある人の五輪みたいな」
「自分が日本代表になって輝く姿を、中学校の時は授業中イメージしていた。日本代表になったら恰好いいだろうなって。あのときのワクワクが蘇ってきた」
すぐに、日本代表を目指すことを決めました。
