ユスリカを近づけないためにできること

(東洋産業 大野竜徳さん)
「ユスリカたちも一生懸命生きているのでしょうが、私たちの生活では困った問題を引き起こします」

「これからの時期、河川や湖沼などで大量発生すると、洗濯物にくっついて汚れてしまったり、死骸はぜんそくやアレルギーの原因にもなったりします。おうちでユスリカをなるべく近づけない対策をいくつかご紹介します」

・水たまりや汚泥を取り除きましょう
おうちの敷地内やベランダなどに水が溜まった場所、濡れた泥のようにたまった落ち葉、詰まった雨どいなどがないかはまずチェックです。

・溜まりやすい場所をなくし、清潔に保ちましょう
ユスリカは水場が大好き、水たまりができにくいように水が流れやすいようにしましょう。水はけが悪かったり、逆勾配になっていたりする場所の改修をしましょう。改修が難しければ水切りなどで水をなくし、しっかり乾燥させておくと良いです。

・不要な照明を消し、遮光性のカーテン+網戸を使用する
ユスリカは光に誘われておうちに近づいてきます。不要な電気を消し、外に光が漏れないようにするだけでユスリカがおうちに寄ってきにくくなります。

また、防虫網戸を使用することで、寄ってきたユスリカが家に入ってくるのを防ぐことができます。

普通の網戸では小さなユスリカはすり抜けてくるので、なるべく網戸の目の細かいものが防虫の観点ではお勧めです。

・窓に紫外線カットシートを使用する、または紫外線を出さない照明器具(LED)を使用する
蛍光灯などの照明は紫外線も発生させていて、ユスリカなどが誘われてきやすくなります。窓に紫外線カットフィルムを貼るのはいい方法です(コツがいるので難しいですが)。LED照明は紫外線がそもそも発生しません。ですので、照明をLEDに変えるだけでも誘われてくる虫の数はかなり減少します。

ただし、ユスリカの一部(だけでなくほかの虫でも)は紫外線対策だけでは効果がでにくいものもいます。

・虫よけスプレーや殺虫剤を使用する
どうしようもない時には殺虫剤や忌避剤などに頼りましょう…。

死骸はおうちの中、特に迷い込んで出られなくなったものが窓際などに溜まりがちです。ホウキや掃除機などで乱暴に掃いたり吸ったりすると死骸の破片が舞い上がるのでウエットティッシュやコロコロなどを使って除去するのがいいでしょう。

これから暖かくなって少し湿度が上がってくるとユスリカもよく見かけるようになるでしょう。お店やおうちの窓や壁に夜間に止まっていることも増え始めます。見かけた成虫寿命はたった数日で、翌日に同じ個体を見かけることもないので、ご興味があれば観察してみてください。

※蚊柱の動画は東洋産業の三藤文章さんよりご提供いただきました