昨日(27日)、落雷による火災で坂出市の神谷神社の国宝となっている本殿の屋根などが焼けました。一夜明け、原因究明と再建に向け文化庁による調査が行われました。



昨日(27日)の火事で屋根の梁も焼け落ちた国宝の本殿です。

文化庁の調査官らが神谷神社を訪れ、宮司らに出火当時の状況などの聞き取りを行いました。

神谷神社では昨日(27日)正午ごろ、鎌倉時代初期に作られた本殿の屋根に雷が落ち出火、屋根の一部が焼けました。

境内には放水銃や消火栓などが設置されていましたが落雷の影響で、作動しませんでした。

(神谷神社宮司 中尾格さん)
「まさかこんな近くで雷がおちるなんてまったく思ってなかった。防火の設備が全く機能しない状態になってしまったことがショック以外の何物でもない」


調査官らは、境内に設置された消火設備を入念にチェックし、初期消火体制や、防災機器について確認を行いました。

これまでの調べでは国宝の防災対策に問題はなかったという見方を示しています。

(文化庁文化資源活用課 五島昌也調査官(整備活用部門))
「なんでも機械の力で解決するというのはなかなか難しいので、優先順位が高いものから。その当時解決していた状況が今の防災機器だと。

「(今回取れるだけの対応を取っていた?)そうですね。はい」


また本殿の被害状況などを確認し、どこまで鎌倉時代初期の柱や垂木などを残し、国宝としての価値を残したまま再建できるかなどを調査しました。

(文化庁文化資源活用課 江島祐輔調査官(修理企画部門))
「被災した個所を補修していけば十分再建できると考えている」

「(国宝としての価値は損なわれない?)そうですね。はい」

(神谷神社宮司 中尾格さん)
「ぜひともなんとしても、また以前のような姿を再建できたらと」

文化庁では今後、神谷神社側と検討を進め、費用の支援なども行いながら国宝の本殿の再建を目指す方針です。