超低金利が長期化することで融資による利益が伸び悩むなど、銀行業界は厳しい環境が続いています。

こうした中、10月3日に持ち株会社体制に移行する中国銀行は、このたび外部の人材を社長に招いて「新会社」を設立しました。これまで銀行が築いてきた「ブランド」と「専門性」を武器に、新たな分野に挑みます。

「企業が抱える課題の解決」などをサポートする「コンサルティング」です。社長には銀行マンではなく、大手コンサルティング会社で企業の支援などを行ってきた西原立さんを招きました。

9月1日に設立した、中国銀行の子会社「Cキューブ・コンサルティング」です。この会社が見据えるのは、銀行の中心的な業務である「融資」ではなくリスクを伴う「投資」の分野です。

(Cキューブ・コンサルティング 西原立 社長)
「『金利が低い中で、どういう風に金融業が儲けていくか』ということになってくると、『融資の金利』だけではなく、『金利以外のリスクの取り方』をしなければならないので、事業でリスクをとると」

10月3日、持ち株会社体制に移行する中国銀行。これまで、投資と人材紹介の子会社を立ち上げてきました。

(中国銀行 加藤貞則 頭取)
「お客様の顕在化したニーズ、あるいは潜在ニーズに応えながら、地域社会やお客様に必要とされ続ける企業グループを目指していく」

3社目となる子会社の「Cキューブ・コンサルティング」は、「別の子会社」が株式を引き受けて投資した企業を、相談などでサポート。

さらに「人材紹介の子会社」が人材面で支えます。

強みは、中国銀行が築いてきた「ブランド力」です。

(Cキューブ・コンサルティング 西原立 社長)
「会社の成長のヒト・モノ・カネを全てサポートしていくのが、新しくできた3つの会社の共同の仕方。

中国銀行が100年近い歴史の中で培ってきたネットワークというのがあると思うので、こういったものを一緒に資産を使わせていただきながら、そういった形で新たなサービスを提供できればと」

この日向かったのは、中国銀行と長年取引がある医療器材の卸売販売を行う企業です。課題である「脱炭素化」について、専門性の高いスタッフがコンサルティングにあたります。

(オルバヘルスケアホールディングス 村田宣治 常務)
「同じ岡山ということで、当社の過去の歴史であったりとか取り組みの状況も理解いただけているので、きめ細かい実情にあった対応がお願いできるかなと思って、期待しています」

(Cキューブ・コンサルティング 西原立 社長)
「なんとか成長していきたい、頑張って拡大していきたい。ただ、どうやっていいのか分からない、という意欲のある企業であれば、ぜひ一緒にやりたいなと」

現在社員は14人ですが、5年後には100人に増やし、目標は売上30億円です。銀行業界の新しい取組として注目されています。