「野犬保護→訓練→譲渡」の仕組みを構築 殺処分ゼロに

岡山市北区の池田動物園です。園内には、野犬を保護する施設があります。池田動物園の協力で岡山市が運営する「ZOOねるパーク」です【画像③】。

2020年に設立されたこちらの施設では、保護された野犬が人に馴れる訓練を実施。「飼育が難しい」といわれる野犬を、飼い主へ譲渡できる仕組みを構築しました。

【画像③】

「殺処分数ゼロ」の自治体は、日本全国でも稀なケースです。そんな岡山市ですが、かつては保護した野犬の多くが殺処分されていました。

(岡山市保健所衛生課 丸山稔さん)
「犬や猫は元々殺処分されるのが全てだったので、ここに集められた犬・猫は、ここに車が入ってきて、搬送車で処分施設に運ばれていました」

「殺処分の名残」残る保健所の地下1階

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岡山市保健所の地下です【画像④】。現在、野犬の一時的な収容施設として使われているこの場所には、殺処分をしていたころの名残が色濃く残っています。

【画像④】

(岡山市保健所衛生課 丸山稔さん)
「これ、こうやって動くんですよ【画像⑤】。こうやって後ろに追い込ませておいて【画像⑥】、ここに付けて開けて追い込んで、この中に入れる【画像⑦】」

「それでそのまま車に積まれて。ここなんか刑務所みたい、留置所みたいでいやなんですよ」

【画像⑤】
【画像⑥】
【画像⑦】

2016年まで、この施設に収容された犬たちは強制的に訪れる最後の時を待つしかありませんでした。

(岡山市保健所衛生課 丸山稔さん)
「当時は絶望的でしたね。もう出しようがないので。今はこの子たちもいつか訓練施設に回せるから、何とか今は踏ん張って頑張ろうという気になる。当時は途方に暮れましたね」