厳しい感染状況となっている第7波ですが、目立つのは、若い世代の感染です。以前と比べて特に10歳未満の子どもの患者が増えていて、岡山市の小児科では「電話がなりやまない」と限界に近い状況での診察が続いています。

防護服姿の医師と看護師が向かったのは、病院の駐車場で診察を待つ新型コロナへの感染が疑われる患者のもとです。

(看護師)
「はい、よくできました」
「検査に10分くらいかかるのでちょっと待ってください」

(受診した子どもの母親)
「電話が繋がらなかったんですが、何度もかけているうちに繋がったので、早く病院に行きたいなという気持ちでした」

岡山市南区のももたろうクリニックです。診察開始から30分足らずで駐車場は満車に。病院の看護師らが抗原検査のキットを手に走り回ります。

(ももたろうクリニック 中桐かおり看護師長) 
「(隣の)整形外科の車もありますが、あちらにも迷惑かけている状況なので申し訳ないなと」

以前の感染の波と比べると、1日に検査する子どもの数は倍以上の約50人に…けさも取材中に5人の感染が確認されました。

(ももたろうクリニック 森茂院長)
「陽性ですね、ここにラインが2本見えるでしょ。これが新型コロナ陽性のサインです」


子どもへの感染が広がり、小児科には受診の問い合わせが殺到しています。スタッフ総出で対応していますが、掛かってくる電話と診察に訪れる人の多さに昼の休憩がなくなることも最近では珍しくはないといいます。

「子どもですか、大人の方ですか」「小児科なので子どもだけの診察です。お大事になさってください」

ひっ迫する小児医療の現場…医師1人看護師2人の体制では限界が近づいています。

(ももたろうクリニック 森茂院長)
「一般患者がいるでしょ。新型コロナのワクチン接種があるでしょ。新型コロナの感染があるでしょ。それを3つ同時に回すというのは医師1人ではなかなか大変です。いまでもいっぱいいっぱいですね」

これ以上の混雑を避けるために、森院長は「発熱後すぐには検査ができないので、時間を置いてから電話をしてほしい」と話します。

(ももたろうクリニック 森 茂 院長)
「保育園で37・7度で呼ばれましたといって、その足ですぐ来院する人がいるんですけど、それではタイミングが早すぎるし、それの発熱が本当に病的なものなのかどうか区別がつかないので、様子を見てもう一度熱を測ってそれでも発熱があるようなら来てほしい」

盆が明け、さらなる感染拡大が懸念される中、崩壊の危機を迎えている小児医療の現場です。子どもたちの健康を守るためにギリギリでの奮闘が続いています。