アングラ演劇の旗手で小説家としても活躍した劇作家で演出家、俳優の唐十郎さんが4日夜亡くなりました。84歳でした。
唐さんは明治大学文学部演劇学科在学中から俳優として活動し、劇団「状況劇場」を立ち上げるなどして特設の「紅テント」公演を国内外で続け、根津甚八さんや小林薫さんら多くの俳優を輩出しました。
また、小説家としても、1983年に「佐川君からの手紙」で芥川賞を受賞しました。2021年には文化功労者に選ばれています。
2022年には岡山市で「紅テント」の岡山公演が行われました。
【2022年6月】
河川敷に現れた紅のテント。そして周辺の光景までも舞台となる野外演劇です。
1960年代~1970年代演劇界で革新を起こした劇作家、唐十郎さんが作った劇団の10年ぶりの岡山公演が6月19日に行われました。令和になっても色褪せない公演に観客は魅了されました。
野外演劇の公演が行われた場所は...

「ここから飛べそうな気がします。決して(傘が)おちょこにはならんでしょう」
「飛んでどうすんだい」
「メリー・ポピンズになるんです。おちょこの傘持つメリー・ポピンズ」


実話を元にした1976年初演の作品です。大物歌手のスキャンダルを発端に起こる人間模様を描いた名作です。どこか昭和の雰囲気を醸す舞台があるのは…



岡山市の中心部を流れる旭川の河川敷。劇団唐組の象徴である紅テントで行われた岡山公演の千秋楽です。普段は静かな旭川沿いに約200人が集りました。
(倉敷から訪れた観客)
「自然の中で演劇を観るってなかなか無いのでワクワクしてます!」
(鳥取から訪れた観客)
「前回来た時もこのくらいの距離まで詰めたのに、まだ前に詰めてくださいって。そういうのが面白いなと」
