「宇宙線」が観測できた!
「霧箱」を観察すると、【動画】や【画像④】のように、画面左から右に向けて「霧箱」の中に細い雲が現れたことが分かります。直後に細い雲はくるくると渦巻きました。米田さんは、雲の長さや太さ、直線性で「霧箱」を「何」が通過したのか、種別をある程度判断できるといいます。

(山陽学園大学 地域マネジメント学部 米田瑞生さん)
「【画像④】は、宇宙線由来の『μ(ミュー)粒子』と考えられます。μ粒子の軌跡に現れる雲は細く長い特徴があります」

「【画像⑤】は、空気中の放射性ラドンが由来のα線(


「【画像⑥】は電子が飛来しているもので、β線、やはり放射線です。β線の軌跡に現れる雲は、【画像⑦】のように細く短く歪な形状を示します。
「宇宙線」や放射線の通った跡にどうして雲が?
(山陽学園大学 地域マネジメント学部 米田瑞生さん)
「霧箱の原理ですが、霧箱はアルコールの蒸気で飽和していて、
しかし、
この飽和状態のアルコール蒸気に宇宙線が入射し、経路上の分子・
そのようにして、
短く言うと「
「宇宙線」そのものは目に見えませんが、その通り道に生成される雲を「霧箱」で観測することができるのです。
【画像④】の小さな雲は、「霧箱」を「宇宙線」が通り過ぎたという証。
この「宇宙線」、何億光年の彼方からたどり着いたものかもしれません。
「宇宙線」を大がかりに観測しようとするのが「スーパーカミオカンデ」や「ハイパーカミオカンデ」
(山陽学園大学 地域マネジメント学部 米田瑞生さん)
「『スーパーカミオカンデ』や『ハイパーカミオカンデ』の前身となった『カミオカンデ』で、ノーベル物理学賞を受賞した故・小柴昌俊さんは、『
『ニュートリノ』はなかなか物質と反応せず、(私たちの身体や地球さえ)

(山陽学園大学 地域マネジメント学部 米田瑞生さん)
「『霧箱』で観測できるのは、ニュートリノよりもずっと観測しやすい、主に陽子からなる『宇宙線』です。その「宇宙線」が上層大気の原子と衝突して『μ(ミュー)
ゴールデンウィーク終盤、「霧箱」で「宇宙線の通り道」を観測し、遠い宇宙に思いを馳せてみてはいかがでしょう。