特集・熊本城マラソン。今回ご紹介するのは、2人で走るのが夢だったという兄弟の挑戦です。
熊本城マラソンに向け、練習に励む兄弟。坂口尚輝(さかぐちなおき)さん(27)と弟の勇紀(ゆうき)さん(23)です。

尚輝さん「弟の方が速いです。それに負けないように」
勇紀さんには、軽度の知的障害があります。
兄弟2人で走る初めての熊本城マラソン。そこには特別な思いがありました。

勇紀さん「ようやく一緒に走れる」
尚輝さん「肩を組んで仲良く写真を撮っている・・・」
年が4つ離れた兄弟、とても仲が良いといいます。

尚輝さん「これが江津湖で撮った写真で、当時、私は弟のことをえらい元気だな、
わんぱくだなと思いながら、かわいい弟だなと思っていた」
勇紀さん「私は兄が面倒見が良くて優しいところが好きですね」

幼い頃よく遊びに行った熊本市にある江津湖の公園。今ではその場所が、熊本城マラソンの練習場所です。
尚輝さん「私の姿を見て弟が陸上やってみたいって言っていたので」
走ることが好きで、陸上競技をしていた兄の尚輝さん。そんな兄の姿をそばで見ていた弟の勇紀さんが中学・高校で選んだ部活は「陸上部」でした。

尚輝さん「自分の真似をしてくれているという面があったので、とても私の中では嬉しかったです」
そうして仲良し兄弟は、同じ陸上という舞台でタイムを競い合う仲に。弟の頑張る姿が兄を奮い立たせていました。
「すごいよく頑張っているな、思いっきり走ってるなというのはすごく印象として残っています」

学生時代を陸上に費やしてきた2人。現在、勇紀さんは、スーパーで働いています。
兄の尚輝さんは、というと…
「弟が小学校の支援学校に在籍していて、そのときの担任の先生がすごく温かい支援で、すごく素敵だなと思った」

尚輝さんは熊本市の支援学校で、障害がある子どもたちの先生になりました。弟にそう接してきたように「温かく丁寧に、子ども一人一人と向き合いたい」といいます。
「私の姿を見て弟が影響されている中でも、私も弟の姿を見てとても影響を受けた」

互いに刺激し合ってきた兄弟が学生時代から抱いていた夢、それが「熊本城マラソン」です。
尚輝さん「お互い中学・高校のころ陸上部に所属していたので、そのときに『今度一緒に走れるといいね』みたいな感じで」
勇紀さん「ようやく一緒に走ることが達成できてよかった」

フルマラソン初挑戦の勇紀さん。過去に出場経験のある兄の背中を追いかけます。
--隣に兄がいることは?
弟「プレッシャーしかない(笑)」
兄「安心感じゃなくて?(笑)」
弟「安心感もあって、プレッシャーです…」

目標タイムは「5時間以内」、そして「2人揃っての完走」です。