昭和34年(1959年)4月、熊本城天守閣再建の起工式の映像です。

熊本城は明治10年(1877年)西南戦争直前の火災で大小天守、本丸御殿などが焼失しました。それ以来、天守閣の再建は熊本県民の悲願だったと言えます。

昭和30年代に入り、加藤清正生誕350年、熊本国体など節目となるイベントが近づいてくると、天守閣再建の気運も高まってゆきます。その後熊本市は天守閣再建計画を発表、建設費は国からの借入金や市民からの寄付などが充てられることになりました。
昭和34年(1959年)4月、ついに熊本城天守閣再建の起工式を迎えます。
多くの来賓の中には天守閣再建のために私財5000万円を寄付した松崎吉次郎夫妻も招かれていました。

当時ニュースはこう伝えています。
「熊本城、一の天守、二の天守の復元工事が始まります。4月1日熊本城の天守閣を復元する鍬入れ式が、坂口熊本市長ら多くの来賓を迎えて行われました。この日、再建費用5000万円を寄付した松崎吉次郎さんも奥さん同伴で列席しました。満開の桜の下、現場で『敷地払いの儀』を行った後、坂口熊本市長が鍬入れを行いました。焼失以来80余年、熊本県民の待望久しかったこの天守閣の再建工事は4月1日、工費2億円で着工、35年8月の完成を期して着々と進められます」
