球磨川が氾濫した豪雨から3年。治水策の柱としてダム建設の計画が進められています。

このダム計画に翻弄されてきた五木村をどう振興していくのか。今、県の姿勢が問われています。

ダム建設→白紙撤回→再び建設へ

川辺川沿いに並ぶロッジ。「ダムが建設されない」という前提で2019年に整備された観光施設です。

しかし、国や県が計画しているダムが川辺川に建設されると水没します。

渓流ヴィラITSUKI 仮山常雄 支配人「えっ、という気持ちはありましたけど、その状況に応じた考え方でやるだけ」

こう話すのは施設を運営する仮山常雄さん。将来的にこの場所が水没することを覚悟しています。

仮山支配人「『五木村いいとこだよね』って思ってもらえるように、今の段階から満足していただくおもてなしをしていく、それだけですね」

五木村はダム計画に翻弄され続けてきました。

球磨川の支流・川辺川でダムの建設計画が発表されたのは57年前。ダムができると村の一部が水没する五木村では反対運動が起こりました。こうした中、将来を悲観し村を離れる人も。

村は1996年、苦渋の決断で建設に同意しますが、その後、環境問題などでダム反発の声が高まると、2008年、蒲島知事は旧ダム計画を白紙撤回します。

しかし、それから12年後…地域を「あの災害」が襲いました。