祈りの言葉

本日、ここエコパーク水俣親水緑地において、水俣病犠牲者慰霊式が執り行われるにあたり、謹んで犠牲となられました全てのみたまのご冥福をお祈り申し上げますとともに、ご遺族の皆様方に対しまして、心より哀悼の意を表します。

当社はここ水俣の地で、1908年に創業を開始して以来、地域の発展を担う一員として、水俣市民の皆様はもちろん、近隣市町村の皆様、そして官公庁関連の皆様のご支援、ご協力のもと、企業活動を営んでまいりました。

皆様のおかげを持ちまして、当社は今年で118年の歴史を刻むことができましたが、この歴史において、有機水銀化合物を含む工場排水を排出したことで、健康被害を引き起こし、多くの方々が犠牲になられましたこと、また、周辺地域の皆様に多大なご迷惑をおかけしてしまったことは、痛恨の極みでございます。

この過ちを深く反省するとともに、改めて心からお詫び申し上げます。

当社はこの反省の上に立ち、同じ過ちは二度と繰り返さないことを強く心に誓うとともに、患者の皆様に対する補償責任の完遂を経営の至上命題に掲げ、各方面の皆様からご支援に助けられながらも、今日まで全従業員一丸となってこの命題に取り組み、補償責任と環境対応を全うすべく、懸命に努力を重ねているところでございます。

当社は現在、九州管内に合計13か所の水力発電所を運営しており、水俣製造所だけでなく、水俣市内の関係会社、そして水俣市役所や水俣市内の小中学校、図書館や公民館など、多くの公共施設でもこの再生可能電力をご活用いただいており、官民連携してカーボンニュートラルの実現に取り組んでおります。

また、水俣製造所では、省力化や環境負荷低減に寄与する機能性肥料をはじめ、医療分野で活用されているライフケミカル製品、さらには半導体分野で用いられる高機能製品など、様々な社会課題の解決に役立つ製品の開発と生産を行っており、水俣製造所の重要性はますます高まっております。

今後も当社グループの力を結集して、社会課題の解決に邁進していくことで、経営基盤を安定化させると同時に、世界中の研究機関やお客様と連携して、将来の課題への準備を進め、安全で豊かな社会の実現に貢献してまいります。

そして今日までご支援いただいている関係機関の皆様の施策にも協力させていただきながら、患者の皆様が安心して暮らすことができる環境を維持し、地域社会の発展に貢献していく所存でございます。

最後に、改めて犠牲となられました全てのみたまが安らかであられますように。

そして、これからも各方面の皆様から頂戴したご支援にお応えし、当社の責務を果たすべく、一層の経営努力を重ねてまいりますことをここにお誓いして、祈りの言葉といたします。

令和8年5月1日 チッソ株式会社 代表取締役社長 山田敬三

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