祈りの言葉

今日、僕たちは、水俣病で亡くなられた方々を思い、この場所に集まりました。
かつて、この海で、悲しい出来事が起き、大切な命が失われたことを、僕たちは決して忘れてはなりません。
僕たちは去年、水俣に学ぶ肥後っ子教室で、多くのことを学びました。病気による苦しみ、それだけでなく、伝染病と誤解されたことによる差別や偏見によって、たくさんの方が悲しい思いをされたことに、胸が痛くなりました。
豊かさを優先し、尊い命や美しい海を後回しにしてしまった過去の過ちを、僕たちは決して忘れてはならないと、強く感じました。
また、公式確認から70年経った今もなお、水俣病の症状や差別に苦しんでいる方がいらっしゃるということも、絶対に忘れてはならないことだと思います。
今、世界中でSDGsについての取り組みがなされています。
その持続可能な、誰一人取り残さない社会づくりは、水俣の苦しい経験を学んでいる僕たちこそが、率先して行っていかなければならないことだと思います。
暮らしが便利になること、豊かになることは大事なことです。でも、その陰に潜むものも、決して忘れてはなりません。豊かさは、時に命を奪うことを。豊かさは、時に人と人とのつながりを絶ってしまうことを。豊かさの陰で、今もなお辛い思いをしている方がいらっしゃるということを。
僕が通う久木野小学校は、美しい自然に囲まれた学校です。久木野には、豊かな森、水が透明な川、有名な寒川水源などがあります。豊富な緑は、きれいな空気を生み出します。また、澄んだ水は、虫や花、魚など生物の命を育むとともに、田畑を潤し、実りをもたらし、この海へとたどり着きます。
僕は久木野が、水俣が大好きです。水俣は、山も、川も、海も美しく、そして人が優しく、とても素敵なところです。大切なふるさとです。僕自身、そんな水俣の良さを、もっともっと理解し、これから出会う人々に、その素晴らしさを伝えていきたいと思います。
僕たちは誓います。
一つ、正しく学び、正しく行動して、差別や偏見のない、誰一人取り残さない社会を作っていきます。
一つ、自然を大切にし、豊かさだけでなく、環境についてもしっかり考えていきます。
一つ、水俣の良さを、たくさん発信していきます。
亡くなられた皆様、皆様が大切にされたこのふるさと水俣を、僕たちが、もっともっと優しく、もっともっと輝く場所にしていきます。どうぞ安らかにお眠りください。
令和8年5月1日 児童生徒代表 水俣市立久木野小学校6年 吉田泰
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