<熊本地震犠牲者追悼式 知事式辞>
熊本地震犠牲者の追悼式に当たり、犠牲となられた方々の御霊に、熊本県民を代表して、御平安をお祈り申し上げます。
かけがえのない最愛の方を失われた御遺族の皆様の深い悲しみに思いを致すとき、胸が締めつけられます。
熊本地震から10年という歳月が流れました。しかしながら、今でもあの時の衝撃と悲しみは、私たちの心に深く刻まれています。
本年の追悼式は、未曾有の大災害の記憶と教訓を改めて共有し、未来へと確かに継承していくため、県と県内全市町村との共催により執り行うものです。
平成28年4月14日、そして16日。 国内観測史上初となる震度7の激しい揺れが2度にわたり、本県を襲い、多くの尊い命が失われました。
私たちの暮らしやなりわい、そして「ふるさと熊本」の風景にも深い傷跡が残りました。 私たちは、あの日を決して忘れることなく、今日まで幾多の困難を乗り越えて参りました。
全国、そして海外から寄せられた温かい御支援、関係する皆様のたゆまぬ努力に支えられながら、創造的復興の実現に向け、一歩一歩、着実に歩みを進めてまいりました。
復興の歩みを振り返ると、県民生活と地域経済を支える道路や橋りょうなどのインフラの再建は、まさに熊本県の総力を挙げた挑戦でした。
政府からの手厚い御支援もあって、地震により寸断された阿蘇地域へのアクセスは、異例の早さで復旧が進み、令和2年には国道57号の従来ルートとともに北側復旧ルートが、令和3年には新阿蘇大橋がそれぞれ開通しました。さらに令和5年には、JR豊肥本線と南阿蘇鉄道が全線で運行を再開し、これらは復興の象徴であるとともに、地域の未来を切り拓く大きな希望となりました。
県内で最も大きな被害を受けた益城町では、「復興まちづくり」を核として進めてきた県道熊本高森線の4車線化が、地域の皆様の御理解と御協力により、先月、計画区間全線で供用を開始しました。道路整備に加え、公共施設や住宅地の再建など都市機能の充実も着実に進み、災害に強いまちとして、新たな歩みを力強く進めています。
また、最重要課題として取り組んできた「すまい」の再建については、町中心部の土地区画整理事業の進捗を待たれていた残る2世帯4人の方々へ、先月までに土地の引き渡しを行いました。これから自宅再建等に着手され、安心して新たな生活を始められる日を迎えるまで、今後も益城町と連携し、丁寧に寄り添いながら支援を続けて参ります。
発災から10年となる本年は、復旧・復興の歩みを改めて振り返るとともに、「災害に強い熊本」の実現に向けた取組みを一層前進させ、創造的復興を遂げゆく熊本の姿を全国へ発信していく重要な一年と認識しています。
県内全市町村との緊密な連携のもと、「地震の記憶と教訓の継承」、「災害対応力の強化」、「創造的復興の歩みと熊本の魅力の発信」、この三つを柱として、着実に施策を進めて参ります。
一つ目の「地震の記憶と教訓の継承」については、地震により失われた尊い命と多くの犠牲の上に今の私たちの暮らしが成り立っていることを、決して忘れてはなりません。私たちに課せられた責務として、地震の記憶を決して風化させることなく、いつ起こるか分からない災害への備えとして確かな形で次の世代へと伝えて参ります。
二つ目の「災害対応力の強化」については、再びの災害に備え、防災・減災のハード・ソフト両面の対策をさらに充実させて参ります。平時から小さな声、声なき声にしっかり耳を傾け、誰もが安心して暮らせる地域社会の実現に全身全霊をかけて取り組んで参ります。
三つ目の「創造的復興の歩みと熊本の情報の発信」については、ふるさと熊本が見事に立ち直り、誇りを取り戻していく姿を示すことが、同じく困難に直面する全国各地の被災地にとっても大きな希望となります。これまで寄せられた温かな御支援への恩返しをしっかりと果たして参ります。
結びに、熊本地震からの復旧・復興に向け、この10年、国内外から寄せられた温かな御支援、そして復興の歩みを力強く支えてくださった全ての皆様に、改めて深く敬意と感謝を申し上げます。 あわせて、熊本の未来を担う子どもたちが、安心と希望をもって歩んでいける「ふるさと熊本」をしっかり作り上げることを、県政を預かる知事として、ここに改めて固くお誓い申し上げ、私の追悼の言葉といたします。











