熊本地震からの完全復活に向けてカウントダウンに入っている「南阿蘇鉄道」
現在は、一部区間だけの運行になっていて、中松(なかまつ)から先の立野(たての)までの区間は、通れない…はずなんですが、この不通区間を列車が走っている!という目撃情報をキャッチしました。一体どういうことなのでしょう?


南阿蘇鉄道の不通区間、誰もいない阿蘇下田城(あそしもだじょう)駅に、黄色の車両が入線しました。


窓には「線路点検車」の貼り紙。


実は、不通区間でも大部分の工事が終わったことから、点検を兼ねた試運転が11月から始まったそうです。


今回、特別にその様子に密着させていただきました。


南阿蘇鉄道 津留 恒誉 専務
「分岐器を通過。制限速度15キロで行きます」


試運転の目的は「線路のサビ取り」そして「踏切のチェック 」です。


津留 専務
「踏切の作動に不具合が多かったんです。段階的に速度を上げ、踏切やその他の保安面を確認しながら現在までやってきました。走れる条件をクリアしたことは感慨深いです」


乗車していて気になったのが「警笛を鳴らす頻度」でした。


試運転では、通常よりも 多く警笛を鳴らします。長い間列車が走っていなかったので、うっかり線路に人が立ち入る可能性がなくもないということで、列車の存在を強く知らせるためなのだそう。

熊本地震から6年半、車窓から見える景色は…


長陽(ちょうよう)駅を過ぎたところで列車が停止しました。


実はこの先はまだ工事中で、第一白川橋梁や終点の立野駅まで線路がつながるのは、2023年の年明け以降になりそうだということです。


地震の後に入社した若手社員たちも、この先を走る日を夢見ています。


入社3年目 金子 大希さん
「早く(レールが)つながってほしいです。列車で走ってみたい」


入社4年目 宍戸 優介さん
「運転士として(先まで)行けるのを楽しみにしています」


津留 専務
「やっとここまで辿り着いたというのが率直な気持ち。全線開通までに整えて頑張っていきたい」


南阿蘇鉄道の全線復旧は、2023年夏の予定です。ラストスパートに入っている南阿蘇鉄道、最後まで応援してください!