熊本市は、児童扶養手当をめぐり、職員のミスで児童2人が本来、必要のなかった養子縁組を結び、手当を支給できない事例が発生したと発表しました。
「誠に申し訳ありませんでした」

市によると、今年2月に、親の代わりに児童2人を育てている親族が西区役所を訪れた際、職員が誤った説明をしたため、1人親などに支給される児童扶養手当が支給できなくなり、その過程で、児童2人が、本来 必要のなかった祖父母と養子縁組をしたということです。
担当1年の職員が受給資格要件を誤解し「祖父母と養子縁組しても親族が手当を受給できる」と、誤った説明をしたことが原因です。

市は親族に謝罪し、受給できるはずだった4~8月分の手当計28万8600円を賠償したとしています。
市によると、親族は元々、2人の養育者だったため、祖父母と養子縁組しなくても手当を受給できたということです。
一方で、祖父母と養子縁組した場合、祖父母が両親となるため、祖父母も親族も手当を受給できなくなります。
児童2人は、8月末に祖父母との養子縁組を解消しています。
熊本市側の謝罪に「謝って済まされる問題ではない」と親族は話したということです。
記者会見で、西区役所の木櫛聖子保健こども課長は「児童の戸籍に影響を与え、経済的にも心理的にも親族に負担をかけてしまった」と謝罪しました。