物価高を背景に「家庭菜園」や「市民農園」が注目されています。生きがいにもつながるという野菜作りの魅力に迫りました。

「家庭菜園を通じて人生を豊かに」そんな人に出会いました。

85歳の太田州保さんです。

太田州保さん「種をまいて、苗を育てる。子育てと一緒ね。一生懸命育てている」

家庭菜園歴40年以上のいわば名人。朝6時半には畑に出るのが日課です。

育てているのは、肥後野菜の「春日ぼうぶら」など珍しい野菜も含め30種類以上。採れたてのオクラはそのまま生で口に運びます・・・

太田州保さん「うまいですよ。おいしい。きゅうり1本買ってきたのと、自分でちぎったのでは味が全然違う」

野菜を買うことはほとんどなく、食卓には取れたての野菜を使った料理が並びます。

太田州保さん「自家製!この冷製スープも自家製」

今、物価高や健康志向の高まりを背景に「家庭菜園」が注目されています。

ホームセンターの園芸コーナーには野菜の苗に加え、500種類もの種が並んでいます。今年の春は野菜の苗の販売が好調で、例年の1.5倍の売れ行きだったと言います。

70代主婦「家庭菜園を始めたのは今年から。モノがものすごく高くなったでしょ?だから、家で少しでも作った方が良いと思って」

食費の節約につなげようと家庭菜園を始める人も多いようです。これからの時季はニンジン、ダイコンなど根菜類もオススメだとか。家庭菜園人気を受け、この店舗では売り場を広げる予定です。

ハンズマン菊陽店 丸山真琴さん「どういう土が良いかとか、どういう育て方をすれば良いか。お尋ねいただければ、店で対応させていただく」

この家庭菜園人気で市民農園も注目を集めています。

熊本市の近見地区にある市民農園では、ナスやミニトマトなどが収穫期を迎えていました。

70代の利用者「野菜の中でも栄養が一番あるのがこれ。モロヘイヤ。大葉の葉っぱが7〜8枚入ってスーパーでは100円するんだもん。ここに来たらタダみたいなもの」

1区画は縦5m、横3m。気になる利用料金は…

農園主 柳原憲之さん「年間の使用料として5000円をいただいています。皆さんが楽しんで使ってもらえれば」

63区画が全て埋まり、空き待ちの状態です。

 熊本市内には市が指定した市民農園があわせて11か所ありますが、利用率はほぼ100%で、空き区画は残りわずかということです。

庭がなくても、市民農園が見つからなくても、こんな手があります。

ペットボトルを使ったプランター菜園です。マンションなどでも気軽に野菜づくりを楽しんでもらおうと、熊本市にある庭の外構工事の会社が体験会を企画しました。

講師「ここを掘って、種をまいた方が良いと思う」

土を入れ、種をまき、子どもたちも興味津々。

3歳「何時になったら出てくるの?」

待ちきれない様子です。

母親「簡単に作れたので、これを持ち帰って、芽が出て、収穫してを楽しみたい」

こちらの会社では会員制農園も運営していて、農園には自動散水機があり、スタッフが草取りもしてくれるので、初心者にもオススメということです。

野菜作りを通じてはずむ会話。野菜の成長を誰かと見守る楽しさもあるようです。

70代の利用者「野菜づくりを習ったりできるけん、楽しか」
70代の利用者「不織布をかけないと虫にやられるとか知っている人が教えてくれる」

徐々に涼しくなるこれからの時期。家庭菜園で「楽しみの種」をまいてみませんか?