太平洋戦争でアメリカ軍に撃沈された軍艦の乗組員348人を弔い続けた、1人の女性がいます。その思いが「慰霊式」として引き継がれ、今に続く理由とは。

波の下、今も眠る戦没者を弔う式典

1944年8月7日、旧日本海軍の軍艦「長良」は、現在の熊本県天草市牛深町の沖合い約10キロで、アメリカ軍の潜水艦から魚雷攻撃を受けて沈没しました。

乗組員583人のうち235人は地元の漁師に助けられましたが、残る348人は今も「長良」と共に水深100mの海底に沈んでいます。

8月9日、海上自衛隊の掃海艇「とよしま」で海上慰霊式が執り行われました。

乗組員の遺族「洋上から近くの海域でということで、献花させてもらって、胸に来るものがありましたね。感慨ひとしおで」

今も続くこの慰霊式のきっかけは、1人の女性でした。