『水俣病は遺伝する』との誤った教材を配信していたトライグループが、水俣病の正しい理解を深めるため、水俣市で研修しました。

研修に訪れたのは「家庭教師のトライ」を運営するトライグループの、執行役員や教材制作を担当する社員など21人です。

水俣病センター相思社 永野三智さん「この道具たちは患者たちと海に出て働いてきた、仕事をしてきた物たち。水俣病を経験してきた物たちです」

参加者は水俣病歴史考証館で原因究明のため使用された「ネコ実験の小屋」など、水俣病事件を今に伝える貴重な資料を見学し歴史を学びました。

トライグループ「現地で資料を見せて頂いたり、話を聞かせて頂きながら、教材の制作に活かしていきたい」

きぼう・未来・水俣 加藤タケ子代表理事「水俣病の患者さんたちが苦しんでいること、これから皆と一緒になってこの水俣病を、ちゃんと21世紀に解決しなければいけないということに繋がる教材を作って頂ければ」

また午後からは非公開で水俣病の胎児性患者と参加者たちが面会しました。

この中で、患者からは「水俣病は食中毒事件であり、母親が食べた魚が胎児に影響を与えたということを、『遺伝ではない』ということを明確に書いて欲しい」と改めて要請があり、トライグループ側からは「水俣病の患者が今も生活しているということが現実の出来事であるとの考えを持てていなかった。そこが大きな反省点」などの声が上がったということです。

きぼう・未来・水俣 松永幸一郎さん「私は20歳で患者の認定を受けて、45歳になって、車いす生活になった。本当に苦しい人生を歩んで来ている。そういったことも分かってもらって、ちゃんと胎児性のことも考えて欲しいなと」

トライグループ 楠瀬大吾 執行役員「深く水俣病について学べた。学んだ内容を教材制作にどう活かしていくかというのをしっかり考えて参りたい」