ここは「星空の学び舎」
夜10時過ぎ。授業も終わり、先生たちも帰る準備を始めました。一日の仕事を終えた小原ひとみ校長は、駐車場に向かいながら、ほっとしたように夜空を見上げました。
小原校長「あ、あそこにえらい光っとる星がありますよ、ほら」
「星空はうちの学校と一緒です。だって、大きか星もあれば小さか星もあるでしょう?でも、それぞれがきれいじゃないですか。きょうは特に、何か空気が澄んでいるよね」

小原校長は2014年から通算5年間、熊本県の義務教育課で夜間中学開校の準備に取り組みました。視察で広島県の夜間中学を訪れた時、生徒たちの様子に心を動かされたと言います。
小原校長「勉強って、自分の目標に向かってやればこんなにパワーが出るんだなって。もう、パワーが空気に出ていたんですよね。『熊本県でも、学びを待っている人が絶対いる』って、夜間中学の業務に対する熱い思いが出てきましたね」
星の一つひとつが、生徒たちと重なります。
小原校長「結局、天気によって星の見え方は違いますので。だから生徒さんたちも天気と同じ。ずっと雨はないし、ずっと曇りもないし、晴れたり曇ったりしながら、だからこそ輝く美しさもあるのかな?なんて思いますよね」
「いつも輝いとるものば見よったら、きれいじゃないですもん。それが当たり前になりますから…と思っています。ふふふ」