3月の熊本市電(路面電車)の追突事故で、追突した電車に速度計が設置されていなかったことが明らかになりました。法令違反ではありませんが、大西市長はすべての運転席に設置を検討すると表明しました。

この事故は3月、停まっていた電車に 後続車が追突して乗員乗客15人が重軽傷を負ったものです。

3月25日撮影

この事故を巡っては、緊急ブレーキをかけて追突した時の速度が時速17キロで、「前方100メートル以内に車両がある際には時速15キロ以内」とする国の規則に違反した可能性があることが分かっています。

これを受けて大西市長は、速度計の設置を急ぐ考えを示しました。

熊本市 大西一史市長「速度計が付いていない26編成に設置の検討をするよう、交通局に指示した」

熊本市交通局によりますと、1980年以前に製造された古い車両を中心に、市電の約6割にあたる26両には速度計が付いていません。ただ、法的には速度計がなくても違法ではなく、市電では運転士が速度感覚を身に付けたうえで免許を取得しています。

大西市長も、速度感覚を身に付ける重要性は維持しながら、速度計を補助的に利用することで安全性が向上するとの認識を示しました。

大西市長「『速度計が付いていないから危険な乗り物』との認識は誤解なので、そこは理解してもらいたい」