2025年1月の1か月間で熊本県内で倒産した企業の数は3件で、九州・沖縄の中で最も少なかったことが明らかになりました。
民間の信用調査会社「帝国データバンク」によりますと、2025年1月の1か月間に1000万円以上の負債を抱えて倒産した企業は3件で、負債総額は1億7000万円でした。
倒産件数、負債総額とも前の月を下回り、九州・沖縄の中で最も少なかったということです。業種別では建設、小売、サービスがそれぞれ1件ずつで、創業30年以上の老舗や県南の企業が目立ちました。
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2025年1月の倒産企業
【医療法人社団武内会(氷川町)】負債総額:9600万円
1987年創業の医療法人。氷川町に「武内外科胃腸科医院」を、玉名市に「玉名脳神経外科医院」を開院し、2018年9月期には年収入高2億7600万円を計上していました。
しかし近隣医療機関との競争激化や創業者の死去により2023年8月に「玉名脳神経外科医院」を事業譲渡したことから赤字決算となり、2024年10月25日には「武内外科胃腸科医院」を閉院し、2025年1月17日に熊本地裁八代支部から破産手続き開始決定を受けていました。
【有限会社お茶のまるしん(水俣市)】負債総額:1000万円
1963年設立の茶小売り。鹿児島茶・水俣茶を中心に扱い、本店やホームページ、スーパーマーケット内のテナントで販売していました。
ペットボトル飲料などとの競合で売り上げが減少傾向となり資金繰りが悪化したため、2024年4月末でテナントを閉業。5月27日には本店も閉鎖し、決済難に陥っていました。2024年12月27日に熊本地裁八代支部から破産手続き開始決定を受けていたことが判明しました。
【荒尾市の個人事業主(解体工事)】負債総額:6400万円
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帝国データバンクは「倒産件数が少ないのはTSMCの進出の波及効果だが、今後は賃上げの動きに対応しきれない『あきらめ廃業』が増え、倒産件数も増加する可能性がある」としています。