熊本国税局は、過去1年間の所得税の申告漏れの総額が熊本県内で83億円を超え、2010年以降、最多になったと発表しました。

熊本国税局によりますと、今年6月末までの1年間にあたる「2023事務年度」に熊本県内で所得税に関する税務調査をしたところ、所得の申告漏れの総額は合わせて約83億3800万円に上りました。

これに伴う追徴税額は約12億4600万円で、申告漏れの総額、追徴税額のいずれも、資料が残る2010年以降、最多となりました。

一方、消費税の追徴税額も2010年以降で最も多い約4億9000万円に上っています。

国税庁では高額や悪質と見込まれる事案を優先して詳しく調べていますが、所得税の調査では去年から本格的にAI(人工知能)を用いて、申告漏れの可能性が高い納税者の抽出や、予測モデルの構築をしています。

熊本国税局もこうした納税者の抽出などにAIを使ったことが追徴金額の多さにつながった要因の一つとしていて、「今後も調査などを通じて適正・公平な課税の実現に努力していきたい」とコメントしました。