市電と共に歩んだ沿線の記録

熊本市内の市電ファンが50年撮り続けた写真集が、100周年の節目を前に出版されました。その写真の数々には、沿線の変化も記録されていました。
2015年の写真に映っているのは熊本市にあった『県民百貨店』。現在は『サクラマチクマモト』となっている場所を、辛島交差点から撮影したものです。

一方で、今も変わらない場所があります。45年前の1979年、新町電停から撮影した写真には、6月末に休業した『長崎次郎書店』が入る建物が今とほとんど同じ姿で写されていました。

この建物の2階にある長崎次郎喫茶室の長崎圭作(ながさき けいさく)さんにとって、熊本市電はどんな存在なのでしょうか。
長崎次郎喫茶室 長崎圭作さん「子どもの頃ずっとここに住んでいたので、思い出というか、“あって当たり前”みたいな」

“あって当たり前”の存在。運転士の東郷さんは、そんな熊本市電のあり方を守り続けたいと考えています。
東郷さん「100年間、先輩たちが受け継いできた伝統を私たちの世代で止めることなく、より良い熊本市電を次の100年につなげていきたい」
