50年の歴史を守るために

菊池市で父親の代を含めておよそ50年漬物を作っている中村(なかむら)さん夫婦は、作業中に水道の蛇口を手で触ることが新しい基準に引っ掛かっていたため、ひじで開け閉めできるレバー式の蛇口に変えました。

中村漬物 中村浩子さん「あちこち変えないといけないなら続けることは多分できなかったが、ここだけで済んだからできるかなと」

設備投資は、2万円ほどで済みました。

実は熊本県はこれまで独自の基準として
・自宅の台所で作らないこと
・外から虫が入らないようにすること
など厳しく衛生管理をしていたため、法律が改正されても設備投資が少なくてすむ事業所が比較的多いということです。

出品者が半減した道の駅

一方、お隣福岡は熊本以上に難しい状況にあります。
大牟田(おおむた)市の道の駅では…

道の駅おおむた 花ぷらす館 渡部みつる店長「確実に出荷数が減っています。法の基準に合った作業場を確保できないということですね」

およそ10の個人と業者が高菜や白菜の浅漬けなどの漬物を卸していましたが、この1年で5つほどの業者が辞めて、さらに5月末で廃業を検討する人もいるということです。

現状、福岡は県の規制が緩やかで施設の基準もないため法律の改正に合わせるには作業場の改修が必要なケースもあり、多くの費用が必要で対応できない人が増えそうだということです。

渡部店長「出荷の数が減るとうちにもダメージがあるし、出荷先の収入にも響くため寂しい」