◆リユース促進で一升瓶は生き残れるか?

また甲斐田さんによると一升瓶のリサイクルが難しくなっているという問題が起きており、その原因のひとつが瓶のラベルの接着剤なんだとか。
瓶の洗浄時にラベルが完全に剥がれず、ラベルの跡が残ってしまうため、メーカーから再利用が許されない場合もあると話します。特にラベルが剥がしにくい状態の場合、再利用が妨げられることになるのです。

また福岡県酒造組合副会長であり「喜多屋」7代目の木下さんは、回収に使用されるプラスチック製の6本入り箱(P箱)についても触れています。
「P箱は一升瓶の回収に不可欠な容器だが、見た目を重視する消費者の要望により段ボール箱に取って代わられ、P箱の需要が減少している。その為段ボール箱の需要が増えるほど回収容器が不足し、結果として一升瓶が回収されにくくなっている」とのこと。
また「ドイツなどではペットボトルを洗浄して再利用。そのため環境負荷が少なく明らかに二酸化炭素(CO2)の発生は少ない。一升瓶は日本酒や本格焼酎の象徴的な容器であるため、環境負荷を少なくするためにも、できるだけ長くリサイクルが継続されることが望まれる」とも話してくれました。

現在この一升瓶不足の問題を受けて、鹿児島などの南九州では焼酎の瓶を主に五合瓶(900ml)入りの瓶でリユースしようという動きがあり、現在ではこの瓶の割合がかなり増えてきているんだとか。
一升瓶をなくさないために、私達も普段からリユースのための返却の意識を持ちたいものです。