萎縮なき厳正な取り調べとの境界線
実は、田渕検事の弁護人は、大阪で刑事弁護委員長を務めた弁護士で、検察と対峙して取り調べの録音・録画制度の導入を強く訴えてきた人物です。私は、ここに注目しています。弁護方針については「取り調べが不適正といっても濃淡があり、犯罪はその最高に位置する」と言っています。つまり、「問題はあるが、罪に問うほどの取り調べなのか」ということですが、私はここに大変フェアな姿勢を感じていまして、取り調べの違法性の分かれ目がはっきりする意義は大きいと思います。
「検察なめんなよ」と大声を出すような威圧的で不当な取り調べは絶対にあってはなりません。一方で、検察官は萎縮することなく、犯罪を暴くために厳正な取り調べをしなければなりません。そんな問題意識を持ちながら、今回の裁判を見ていきたいと思います。
◎山本修司

1962年大分県別府市出身。86年に毎日新聞入社。東京本社社会部長・西部本社編集局長を経て、19年にはオリンピック・パラリンピック室長に就任。22年から西部本社代表、24年から毎日新聞出版・代表取締役社長。







