検察の歴史を分けた「郵便不正事件」
では、なぜこのような事態が起きているのかについて、説明したいと思います。2009年に「郵便不正事件」という大阪地検特捜部が摘発した事件がありました。実体のない障害者団体に郵便料金割引制度の適用を認める偽証明書を発行したという容疑で、厚生労働省局長だった村木厚子さんを逮捕、起訴したものですが、このとき、特捜部の主任検事が証拠を改ざんしたことが分かり、この主任検事に加えて、特捜部長までも逮捕されたのです。
村木さんは当然無罪になりました。検察にとっては歴史的な汚点です。それで検察内部では、この事件以前を「戦前」、それ以後を「戦後」と呼んでいて、検察の歴史を二分するほどの衝撃があったことを物語ります。そして、この事件以降、取り調べの録音・録画が本格化しという経緯もあります。
ですから、現職検事の取り調べが2件相次いで刑事法廷で罪に問われるということは、いわゆる「戦後」も、検察の体質は変わっていないではないか、という批判につながるわけです。私は、いわゆる「戦前」でも大半の検事は適正な取り調べをしてきたと思っているのですが、威圧的な取り調べがなくならないのには理由があると考えています。







