条文に”表現の自由等に留意”効果は?

Q 法案には、適用上の注意として「この法律の適用にあたっては表現の自由、その他の日本国憲法の保障する国民の自由と権利を不当に侵害しないように留意しなければならない」との条文があります。これで表現の自由が担保されるとお考えでしょうか。
福留英資 弁護士
担保されないと考えます。「表現の自由等に留意」して許容される行為というものがどのようなものか、全く不明確だからです。表現の自由として保障されるべきか否かが問題になる行為の典型は、日本国のあり方や政策、その方向性等について抗議の意思を示したいという目的があって、その手段として日の丸を焼くなり破るなり汚すなりする行為だと思われます。そのような象徴的行為が、現下の言論空間においては重要な意味合いを持っています。例えば以前SNSで拡散し共感が広がった「保育園落ちた日本死ね」という投稿。これに添えるとそのアピールがより効果的になるという発想が大いにあり得ます。しかし、これを処罰の対象から外すとは考えにくい、少なくとも、処罰されるのではないかと委縮してこのような表現をすることはためらわれる、従って控える、ということになるのでしょう。そのような委縮効果を狙った処罰規定なのでしょうから、表現の自由が担保されることはないのではないでしょうか。