戦犯遺骨の埋葬秘話
幕田大尉と同じ時期にスガモプリズンに死刑囚として在所していた、福岡出身の冬至堅太郎は、在所中6年分の日記を残し、石垣島事件の死刑囚たちとの交流の様子も日記の中に記している。朝鮮戦争勃発後に終身刑に減刑され、1956年に仮出所して福岡に戻ったあとも、戦犯関係の記事などを収集して、自宅のファイルに几帳面に整理して残してあった。その中に、終戦から30年を迎えた1975年(昭和50年)に行政通信社が発行した「人と日本」から特集ページを切り取ったものが入っていた。特集タイトルは「巣鴨戦犯遺骨の埋葬秘話」。執筆者は井上忠男、元厚生省引揚援護局法務調査室長だ。元陸軍大佐で法務省参与として長く戦犯裁判の調査に関わった人物だ。
A級戦犯の遺骨については、近年、日本大学の高澤弘明准教授が米国立公文書館から入手した文書から、東條英機元首相ら7人の遺体は横浜市の火葬場(現在の久保山斎場)で火葬されたあと、遺灰は太平洋上でまかれたことが明らかになっている。







