戦犯が神聖視されないように遺灰をまく
井上忠男によると、死刑執行された時点でもA級戦犯7人の遺体は火葬されたあと、遺族たちの手に渡されないことがはっきりしていたという。すでにドイツのニュルンベルク裁判で処刑されたり、自殺したりした11人の遺骨が、空中を飛ぶ飛行機から海上にまき散らされたという噂が伝わってきていたからだ。日本においても同様で、当時、GHQの外交局長であり、A級戦犯死刑執行の公式立会人の一人だったW・J・シーボルトが著書の中で「遺体は火葬に付され、死刑になった指導者たちの墓が将来、神聖視されることのないように、遺灰はまき散らすことになっていた」と書いたことに触れている。BC級戦犯についても、スガモプリズンで最初に由利敬中尉が処刑されたときに、花山信勝教誨師が、米第八軍司令官のアイケルバーガー中将に問い合わせたところ、「遺憾ながら遺骨は軍規で渡せない」「どこに埋葬したかも知らすことはできない」という答が返ってきたそうだ。







