「ヨコの緊張」から「タテの緊張」へ

アメリカは、自国の「裏庭」である南米で中国の影が濃くなることを激しく警戒しています。米州大陸という「ホーム」における「タテの緊張」です。

1月にベネズエラのマドゥロ大統領を拘束した武力行使も、その背景には中国の影響力排除がありました。今回のペルーにおけるヘリ氏のスキャンダルと罷免劇も、中国側は「背後にアメリカの工作があるのではないか」と睨んでいるのではないでしょうか。

太平洋を挟んだ日米中という「ヨコの緊張」に加え、南北アメリカ大陸を舞台にした「タテの緊張」が激化する2026年。ペルーの政局混乱は、決して遠い国の出来事ではなく、世界秩序が書き換えられようとしている現場そのものなのです。

◎飯田和郎(いいだ・かずお)

1960年生まれ。毎日新聞社で記者生活をスタートし佐賀、福岡両県での勤務を経て外信部へ。北京に計2回7年間、台北に3年間、特派員として駐在した。RKB毎日放送移籍後は報道局長、解説委員長などを歴任した。2025年4月から福岡女子大学副理事長を務める。