配給されたのは「小石」「虫」が混じった米
主食となる米も日本では考えられない粗末なものだった。
北朝鮮では白い米など目にしたことはなかった。
一家の人数で数量が決められていたため、故意なのかどうかは分からないが、米に小石を混ぜてかさ上げされたものが配られたり、虫がたくさん混じった米が配られたりと、考えられないことが日常茶飯事だった。
曽我ひとみさん
「いつしか虫と石を取り除くのが私の仕事となっていました。空腹でいるよりはましでしたが、本音を言えば、灰色の米を炊いて食べてもお世辞にも美味しいとは言えないものです」
インドネシアで家族と再会した日、日本から米を持って行った。
初めて見る日本の米に娘たちは「お米って白いんだね」とびっくりしていた。
炊いている最中には「変な臭いがしないんだね」と炊きあがるのを楽しみにしていた。
そして食事。
一口食べて「すごく美味しい。こんなに美味しいご飯食べたの初めて。おかずはなくても、ご飯だけでも食べられるね」と、とても喜んでいたことを曽我さんは思い出す。







