北九州市長選挙の投票日まで、約2か月となりました。これまでに新人4人が立候補を表明しています。自民党の県議が出馬を断念したものの保守分裂の状態が続いていて、支援をめぐる動きが活発になっています。

◆自民市議団が推す「津森氏」

先月に開かれた北九州市若松区選出の中尾正幸県議の政治資金パーティー。中尾県議は、当初「来年2月に行われる北九州市長選に向けた決起大会にする」と話していました。しかし、壇上で紹介したのは自民党市議団が推す元国土交通省官僚の津森洋介氏です。


津森洋介氏「中尾先生、本当に本当にありがとうございます。非常に苦渋の決断の後にお会いさせていただきました」

中尾県議は「断ると、これからの私の政治が立ち行かなくなる」として出馬を断念しました。


中尾正幸県議「私は本当に市長になりたかった。県議会の重鎮5人と市議会の重鎮6人が2度協議をいたしました。これは報道の中だけであって、水面下では様々な動きがあって、いろんなことがあったんだと私は思っています」

北橋市長の後継者であることをアピールしようと、共に街頭に立った津森氏。2日夕方に自民民党本部から推薦を受けました。そのほかに立憲民主党や連合福岡からも推薦を受け、旧民主党系の市議団「ハートフル北九州」の支援も受けています。

津森洋介氏「本日は北九州の母とも慕っている三宅団長にも来ていただきました。地元の市議団一丸となって新しい北九州を作ろうということで取り組みを進める」

◆若手の自民市議2人が「武内氏」応援で新会派

ただ、津森氏を推している自民党の市議も一枚岩にはなれていません。12月2日、若手の自民市議2人が元厚生労働省官僚の武内和久氏を応援するために、新しい会派を立ち上げました。


三原朝利市議「自民党は決して一枚岩ではない。われわれこそ保守本流の自民党。人口減少、経済の停滞、財政の悪化に歯止めがかからないにもかかわらず、現市政を継承しようとする考えに全くもって賛同できない」

武内氏は、末吉興一・元市長の支援も受けています。2日の公約発表会見では「聖域なき北九州改革」を訴えました。


武内和久氏「衰退のスイッチを切り替えて発展へと向けていくこと。そのためには既得権益に切り込んで財源をつくって、それを元手に次の世代に投資をしていく」

武内氏は官僚と民間企業経営の経験を生かして、これまでのしがらみを脱却すると強調しています。