「歴史はオールドでも、取り組みはオールドではない」
思いは同業他社さんも同じようで、北は北海道から南は九州まで、多くの新聞社が、視察や意見交換に来られます。実は、福岡の地元紙・西日本新聞さんも新規事業による多角化に熱心な新聞社として知られ、豆腐の販売やコインパーキング展開などのほか、国内外のIT企業などと連携した各種事業があり、意見交換をさせてもらっています。
また先日は、農業に関わるベンチャー事業の説明会に出向いたんですが、こちらも地方紙やテレビ局の新規事業担当者が各地から集まって、皆さん、あらゆる可能性を追っているのは同じでした。そういえば、RKB毎日放送も宗像市に魚の陸上養殖施設を造って、サーモンの養殖に乗り出すとお聞きしました。
冒頭お話した通り、昭和からの既存メディアはどこもネットメディアの成長に押されていますが、それでも守るべきもの、果たすべき役割があると信じて、様々な挑戦をしています。歴史はオールドだけれど、取り組みは必ずしもオールドではないことが、少しでもリスナーの皆さんに伝われば幸いです。
◎潟永秀一郎(がたなが・しゅういちろう)

1961年生まれ。85年に毎日新聞入社。北九州や福岡など福岡県内での記者経験が長く、生活報道部(東京)、長崎支局長などを経てサンデー毎日編集長。取材は事件や災害から、暮らし、芸能など幅広く、テレビ出演多数。毎日新聞の公式キャラクター「なるほドリ」の命名者。