大谷翔平選手も実践する睡眠の重要性

睡眠時間をしっかりとることは、高いパフォーマンスを発揮するためにも重要です。大リーグ・ドジャースの大谷翔平選手は、10時間の睡眠と2時間の昼寝を欠かさないことを公言しています。アスリートは一般の人よりもエネルギー消費が激しいため、それに見合った睡眠が必要になります。また、時差の大きなアメリカ国内を移動しながら試合をする大谷選手にとって、昼寝は時差ぼけ解消にも役立っていると考えられます。

最近では、子どもたちから「夜10時間眠れば、大谷選手のようになれますか?」という質問を受けることがあります。私は、このような質問に対し、「10時間の睡眠は、あなたの持っている力を最大限に引き出すためにとても大切です。大谷選手のようになれるかは分かりませんが、近づくことはできるでしょう」と答えるようにしています。

睡眠は「寝だめ」できない!

睡眠に関する大きな誤解の一つとして、「寝だめ」が挙げられます。睡眠は貯金ができないため、休日に長く寝ることは体内リズムを崩し、かえって体調不良の原因となる可能性があります。寝だめをする場合は、普段の睡眠時間より2時間以内にとどめることが推奨されます。

睡眠環境を改善するために

睡眠不足は、脳や体の休息を妨げ、翌日の眠気や集中力・意欲の低下、仕事の能率低下など、様々な悪影響をもたらします。さらに、肥満、高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病、心筋梗塞、脳血管障害、がん、うつ病、認知症など、多くの病気のリスクを高めることが指摘されています。また、幸福感の低下にもつながるとされています。

質の良い睡眠を得るためには、睡眠環境を整えることが重要です。寝る1~2時間前から部屋の照明を暗くし、リラックスできる環境を作りましょう。寝る前にスマートフォンやタブレット、ゲームなどの使用を避け、ブルーライトを浴びないようにすることも大切です。また、ストレスを溜め込まないように、適度な運動や趣味などでリフレッシュを図りましょう。

さらに、食事も睡眠に影響を与えます。夕食は就寝2時間前までに済ませ、朝食は必ず摂ることが推奨されます。また、食事はゆっくりとることが大切です。運動に関しては、日中に活動的に過ごし、早足でのウォーキングなどを取り入れることで、睡眠の質を向上させる効果が期待できます。