20年前の福岡県西方沖地震でビルのガラスが割れるなどの被害が起きた福岡市天神。「日本一危険」とも言われる警固断層帯南東部での地震の発生が懸念される中、街はこの20年でどれだけ地震対策が進んだのでしょうか。

新たなビルには免震装置

2021年に開業した地上19階・地下2階建ての「天神ビジネスセンター」。

RKB 下濱美有記者
「天神ビジネスセンターのエレベーター、地下1階のボタンがありません。実はこの地下1階に地震の対策、秘密が隠れているんです」

地下1階に設置された免震装置が地震発生時に揺れを吸収することで、建物に揺れを直接伝えない構造となっています。

福岡地所 賃貸事業一部 平木悠さん
「法定の基準の1.5倍の免震構造になっていまして」

また、有事の際には200人の帰宅困難者を受け入れる態勢も整えました。

福岡地所 賃貸事業一部 平木悠さん
「免震のポイントを評価頂いてご入居を決めていただいたテナント様もいらっしゃる」

「天神ビッグバン」で進むビルの耐震強化

こうした高度な地震対策を備えるビルへの建て替えを推し進めているのが、福岡市の再開発促進事業「天神ビッグバン」です。

福岡市 高島宗一郎市長「アジアの拠点都市としての役割、機能を高め、新たな空間を創出するプロジェクト『天神ビッグバン』を推進します」

耐震基準が強化された1981年より前に建てられたビルが多かった天神地区。これまでに58棟が耐震性の高い先進的なビルに生まれ変わりました。