万引きに手を染めるようになった「摂食障害」の女性たちはなぜ同じ犯罪を繰り返すのか。
医療刑務所で治療をする医師は「摂食障害」による精神面の悪化が背景にあると話します。

北九州医療刑務所・瀧井正人 医師
「倫理観や道徳観も薄れていく。窃盗で捕まった患者が話すことは、『どうせ吐いてしまうものにお金を払うのはもったいない。だから盗んだ』」
「自分の事しか考えないみたいになっていく。そういう風な摂食障害が続くことによる精神面、心理面の悪化が大きいと思っています」

「摂食障害」とされた女性受刑者は、独居房で生活。

室内のトイレは、吐いたり、食べ物を捨てたりすることを防ぐため、塞がれています。

「摂食障害」の女性受刑者に用意されているのは、持ち運びが可能な簡易式のトイレです。

北九州医療刑務所で働く看護師
「嘔吐していることを隠そうと思えばこのポータブルトイレの中に吐くしかない。この中に排泄物に混ざって嘔吐物があったりということもあるので、そういったのもこちらで確認できるようにしています」

「摂食障害」の女性受刑者たちの食事は、診察や体調をもとに医師が食べられると判断した量だけ提供。

不足する分は栄養剤で補っています。

北九州医療刑務所・高野美幸 看守部長
「きょう出来ている状態が8分の1、4分の1、4分の3、全量になってます。食べきれずに嘔吐したり隠したりしてしまう人たちが結構いる」
「少ないので食事がしたい。食事がしたいから出すのではなく、本人たちの食べる実力によって出す。そこで食べ切れて大丈夫なら次の段階に行く。そこを診察で先生が見極めて決める」