医療刑務所では「拒食」や「過食」、「嘔吐」をしないよう女性受刑者を管理したうえで心の問題に向き合うための治療を続けています。

北九州医療刑務所・瀧井正人 医師
「治りたい自分と病気を治したくない、病気であり続けたい自分があって、病気であり続けたい自分が勝っている。重症な人ほどそういった状態」
「痩せることや異常な食行動に自分の問題を逃げていた。そういうものに逃げられないようにして自分の本当の心の問題は何か。何が自分にとって悩みなんだろうか。そういった所に目が向いて欲しい」

刑務官「気をつけ礼!直れ前、進め!」

医師の診断を受ける50代の女性受刑者。
自分の体型が気になり30代後半から食事の量を極端に制限するようになりました。
「拒食症」と診断されています。

常習累犯窃盗罪で服役・50代の女性受刑者
「刑務所に入るたびに摂食障害という扱いをされて、毎回つらい思いをする。どうして私だけっていつも思うんです。死にたいくらいつらい」
「痩せなきゃいけないと言われているような気がして」
北九州医療刑務所・瀧井正人 医師「どこから言われている?」
常習累犯窃盗罪で服役・50代の女性受刑者「やっぱりもう1人の私ですね」
この女性受刑者は過度な食事量の制限によるストレスをきっかけに万引きを繰り返すようになりました。これまで4回、実刑判決を受けています。

常習累犯窃盗罪で服役・50代の女性受刑者
「本当は食べたいけれど食べられない。食べ物をそばに置いておきたいという気持ちでとってました。あれば安心というか・・・こういう病気になった人じゃないと、この苦しみは分からない。食べたい食事が目の前にあっても食べられないのがつらい。食べたら怖いという気持ち」
「治そうと思って頑張っているので、少しは良くなって出られる(出所できる)んじゃないかと思います」