キスマークを江戸で何と呼んだか
神戸: では、「血痣」。血液の「血」に青あざとかの痣。
キスマークのことですね。
下田: そういう慣わしは江戸にもあったんですか。
神戸:「おめえ、首筋に血あざが…」
下田: 本当?進んでるわね。
神戸:『江戸語の辞典』を見てびっくりするんですが、
そんな女性のことをこんなふうに言いました。「じょな娘」。
下田: ジョナむすめ?
神戸: 美しく着飾る、なまめかしく振舞う、しなやかであることを、
「じょなめく」と言ったらしいです。
美しく着飾った、なまめかしい娘が「じょな娘」。
男から女性を見て「この人、色っぽいなあ」という時、
「あのじょな娘はどこの誰だい?」みたいな。
下田: 今で言う「まぶい」みたいな。あ、今は言わないね、昭和ですね。
失礼しました。
神戸: 人目を引くような女性のことを「じょな娘」と言っています。
神戸: そういうことに熱くなってしまう世代、こんな言い方をしました。
「熱盛り」。
下田: ほめきざかり?なんでしょう、もう満ちているって感じ?
神戸: 異性に熱しやすい年ごろ。思春期。色気ざかり。
下田:「ほめく」。柔らかくも、血の気を感じる言葉ですね。
神戸:「ほめき」、「ときめき」とも似ていますね。
心拍数が上がっていくような。いい言葉だなと思いますね。
ここまで、コンプライアンス的に大丈夫ですか?
下田: 大丈夫です。一番好きなのは「ほめき」ですね。