罠の仕掛け方「最低でも30回は練習する」

研修所に戻ったら罠の仕掛け方の実習です。

和田三生さん「大谷さんのバットを借りたからといって誰でもホームランは打てませんよ」

どんな環境でも短時間で罠を仕掛けられる技術を習得するため、平地や傾斜地といった場所で練習を繰り返します。

スポーツと同じで上達するには基礎トレーニングが重要だと言います。

和田三生さん「こういう基礎的なことを何回も練習するわけですね、最低でも30回、50回やっていただきます」

獣道を見極め、山で罠をしかける

研修所で合格したら、いよいよ山で罠を仕掛ける実習です。

和田三生さん「秋から木の葉が落ちるでしょ、そうすると獣道が分からなくなる。しかし動物はちゃんと覚えているんですよ」

獣道を見極めながら仕掛ける場所を探します。

研修所で学んだとおり塾生は罠をしかけていきますが、塾での練習とは大違いです。

青森県猟友会 中田圭武さん「塾でやるのと現地でやるの全然違うので、木の根っこがあったり、それは現場で数こなすしかないですね。数かければとれるのかなみたいなのだったんですけど、やっぱり獲るために必要な条件であったり、どこにかけるのかみたいな、イノシシの生態から、イノシシの気持ちになって」

「苦しめずに捕獲する」のが信条

和田さんは元々動物が好きで動物がなるべく苦しまないように罠の形状を工夫し、罠にかかった動物を素早く処理する技術も磨いてきました。

和田三生さん「僕は動物が大好きなもんですから、苦しめて捕まえてというのは僕の生き方として望まない」

過疎や高齢化で山の手入れが行き届かなくなったこともイノシシによる被害の増加につながっているとも言われます。

イノシシを苦しめずに人間の生活を守るため和田さんは捕獲技術を全国に伝えていきます。